その給料、何月分?|タイ給与で日本本社が間違えやすい「勤務月・費用月・支給月」

日本本社からタイ現地法人の給与を確認するとき、 「その給料は何月分ですか」と聞かれることがあります。

日本では、「月末締め翌月10日払い」であれば、 その給与は「先月分」と考えることが多いと思います。 しかし、タイの給与実務では、この日本語の感覚をそのまま持ち込むと混乱します。

タイ側には、会計記録責任者がいて、会計事務所が処理し、監査も受けます。 そのため、タイ現地法人側では適切に処理されていても、 日本本社から見ると、勤務月、費用月、支給月、社会保険の控除月が分かりにくく見えることがあります。

特に、日本に親会社がある場合は、タイ側でどのように発生主義で処理されているかを、 日本本社側が正しく理解することが重要です。 通常の月給が適切に未払計上されていれば、期間帰属そのものは日本側でも同じ考え方になることが多い一方、 決算期の違い、会計基準の違い、表示区分、連結パッケージ上の扱いなどにより、 別途確認や調整が必要になる場合があります。

※本記事は、タイ現地法人の給与について、日本本社側が誤解しやすい 「勤務月・費用月・支給月」の違いを整理するものです。 個別の給与計算、源泉税、社会保険、法人税、会計処理については、 タイの会計事務所、監査人、税務専門家、社会保険事務所等に確認してください。

「何月分給与か」は、一つの答えでは決まらない

同じ給与でも、労務、会計、法人税、源泉税、社会保険では、見るべき月が異なります。 そのため、日本本社が「12月分給与」と呼んでいるものが、 タイのPND1、社会保険、会計記録、法人税計算でもすべて12月扱いになるとは限りません。

観点 見るべき月・基準 例:12月勤務に対応する月給を1月10日に支給
労務 労務提供・勤務に対応する月 12月勤務に対応する給与。ただし、正式な支払期日は1月10日と定められている場合があります。
会計 費用が発生した月 原則として12月の未払人件費
法人税 支払義務・金額が確定した会計期間 原則として12月またはその会計期間の損金方向
会社負担社会保険料 給与に対応する会社負担分 会計上は12月の人件費関連費用として未払計上されることがあります
源泉税・PND1 給与を支払った月 原則として1月支払給与
社会保険実務 支給・控除月、正式な支払期日、遅配の有無 支払期日が1月10日なら原則として1月支給・控除。ただし、本来12月中に支払うべき給与を遅配した場合は要注意
日本本社・連結会計 タイ側処理の理解、決算期差・会計基準差・表示区分の確認 通常給与の期間帰属を理解したうえで、連結上の別要因による調整が必要か確認

ポイント:
「何月分給与か」という言葉を、社内管理、会計、税務、社会保険で同じ意味に使うと混乱します。 タイでは、勤務月、費用月、支給月、控除月、そして給与支払期日を分けて考える必要があります。 日本本社側では、さらにタイ側の発生主義処理を理解したうえで、 連結会計や日本側報告資料で別途確認すべき点がないかを確認する必要があります。

「月末締め翌10日払い」は、月給と変動項目を分けて考える

本記事では分かりやすさのために「月末締め翌月10日払い」という表現を使います。 しかし、タイの月給制給与では、この言葉をそのまま日本式に理解すると誤解が生じることがあります。

月給制の基本給は、雇用契約に基づき月額で定められているため、 「月末に締めて初めて基本給が発生する」というより、 月額賃金が先にあり、その支給日が翌月10日である、と考えた方が自然です。

一方、残業代、休日労働手当、出来高給、コミッション、各種手当、入社・退職時の日割り調整、 欠勤・無給休暇等の調整については、一定期間を集計して支給額を確定する必要があります。 この意味では、「変動項目は月末締め、翌月10日に月給と一緒に支給する」という考え方が成り立ちます。

したがって、「月末締め翌月10日払い」と言う場合でも、 月給制の基本給を締めているのか、変動報酬を締めているのか、 それとも単に給与の支給日を指しているのかを分けて確認する必要があります。

月給制の基本給は「締めて初めて決まる」ものではなく、 変動項目を集計するために締め日が必要になる、と理解すると分かりやすくなります。

翌月10日払いの約束は、それ自体が直ちに問題とは限らない

もう一つ確認しておきたいのは、 「12月勤務に対応する給与を翌1月10日に支払う」という約束そのものが問題になるのか、という点です。

タイの労働者保護法では、月給、日給、時給、出来高給などの賃金について、 少なくとも月1回支払うことが求められます。 そのため、雇用契約、就業規則、給与規程等で翌月10日が正式な給与支払日として明確に定められ、 毎月1回以上きちんと支払われているのであれば、 前月勤務に対応する給与を翌月10日に支払う運用それ自体が、直ちに問題になるとは限りません。

ただし、初回給与で極端に長い無給期間が生じる場合、退職時の最終給与、 残業代・休日労働手当等の支払い、給与規程と実際の支給日の不一致などについては、 別途慎重に確認する必要があります。

重要: 翌月10日払いが「正式な給与支払期日」として定められている場合と、 本来は12月中に支払うべき給与を1月10日に遅れて支払った場合とでは、 労務上・社会保険上の意味が異なります。 日本本社側では、まずその会社の正式な給与支払期日を確認することが大切です。

別パターン:同じ支給日でも、費用年度が分かれることがある

ここまでは、分かりやすさのために、 「12月勤務に対応する月給を1月10日に支給する」という、 月給も翌月に支給する会社を主な例として説明してきました。

しかし、会社によっては、基本給は当月分として支給し、 残業代、休日労働手当、出来高給、コミッションなどの変動項目だけを、 前月実績として翌月にまとめて支給することがあります。

この場合、同じ1月10日の支給であっても、 「1月分の月給」と「12月実績に基づく変動報酬」が混在します。 そのため、会計上・法人税上の費用帰属が分かれることがあります。

支給日 給与の内訳 会計上・法人税上の費用帰属
1月10日 12月実績に基づく変動報酬 支払義務と金額が確定していれば、原則として前年12月または前会計期間の費用
1月10日 1月分の月給 原則として当年1月または当会計期間の費用

つまり、「同じ日に支給したから同じ年度の費用」というわけではありません。 その給与が、どの勤務月・どの実績・どの支払義務に対応しているかを見る必要があります。

重要: 1月10日に支給する月給が「12月勤務に対応する月給」なのか、 「1月分の月給」なのかは、会社の雇用契約、給与規程、実際の給与運用によって異なります。 また、変動項目だけが前月実績として同じ支給日に混在する場合もあります。 まずは、その会社で使っている「月給」「支給日」「変動項目の締め日」の意味を確認することが大切です。

会計上は、勤務月・発生月の人件費として未払計上するのが基本

日本本社から最も聞かれやすいのが、 「では、会計上は何月の費用になるのか」という点です。

たとえば、12月勤務に対応する月給を1月10日に支給する場合、 会計上は、原則として12月に発生した人件費として未払計上します。 実際の支払日が1月10日であっても、12月に労務提供が行われ、 会社の支払義務と金額が確定しているのであれば、 12月の人件費として処理するのが基本的な考え方です。

これは、日本本社の会計感覚とも比較的近い部分です。 ただし、ここで大切なのは、「未払いだから翌月の費用になる」のではなく、 支払義務と金額が確定しているかを見ることです。

法人税上も、支払義務が確定していれば発生月の損金方向

タイの法人税計算では、原則として発生主義が用いられます。 その会計期間の収益に関連する費用は、まだ支払っていなくても、 その会計期間の費用として扱う考え方です。

したがって、通常の月給で、12月末時点で労務提供が完了し、 雇用契約や給与規程に基づき支払義務と金額が確定しているのであれば、 1月10日に支給したとしても、法人税上は12月またはその会計期間の人件費として扱う方向で考えます。

また、タイ法人税の年次申告は、通常、会計期間終了日から150日以内に行います。 通常の翌月払い給与であれば、法人税申告時点ではすでに支払済みになっていることが多く、 会計期間の人件費として確定しやすいといえます。

注意: 未払計上したものが常に法人税上の損金になるわけではありません。 実際に発生した人件費であること、会社に支払義務があること、事業に関連すること、 受取人を特定できること、過大給与や利益処分と見られないことなどを確認する必要があります。

源泉税・PND1では、支給月を見る

会計上・法人税上は発生月を見る一方で、給与源泉税・PND1では、 何月に給与を支払ったかが重要になります。

タイ歳入法では、給与等の源泉税は、所得を支払う都度控除する構造です。 PND1も、給与等を支払った月の源泉税を申告・納付するものです。

PND1は月次の源泉税申告であり、通常、給与等を支払った月の翌月に申告・納付します。 そのため、「何月勤務分か」ではなく、「何月に支払ったか」を確認することが重要です。

したがって、12月勤務に対応する月給を1月10日に支給した場合、 会計上・法人税上は12月の人件費であっても、 源泉税・PND1上は、原則として1月に支払った給与として扱います。

同じ給与でも、会計上は12月の費用、源泉税上は1月支払給与、というズレが起こり得ます。 日本本社がここを理解していないと、タイ現地法人のPND1や年次源泉徴収証明と、 日本側の管理資料が合わないように見えることがあります。

年末給与では、会社の費用年度と従業員の所得年度がズレる

特に注意が必要なのは年末です。

たとえば、12月勤務に対応する月給を翌年1月10日に支給する場合、 会社側では前年度の人件費として処理される一方、 従業員側の所得税・源泉税では、原則として翌年に支払われた所得として扱われます。

この場合、日本本社から見ると、 「会社では前年の費用なのに、従業員の源泉徴収証明では翌年所得になっている」 ように見えることがあります。 しかし、これは会計・法人税の発生月と、個人所得税・源泉税の支給月が異なるために起きるズレです。

会社負担社会保険料は、会計上は対応する賃金に関連づけて考える

社会保険料についても、日本本社が混乱しやすい部分です。

まず、従業員負担分の社会保険料は、会社の費用ではありません。 会社は給与から従業員負担分を控除し、会社負担分と合わせて社会保険事務所に納付する立場です。

一方、会社負担分の社会保険料は、会社の人件費関連費用です。 会計上は、その社会保険料がどの賃金に対応して発生しているかを考えるのが基本です。

たとえば、1月10日に、1月分の月給と12月実績に基づく変動報酬を合わせて支給する場合、 会社負担分の社会保険料についても、会計上は、それがどの対象賃金に関連する費用なのかを確認します。

ただし、タイの社会保険料は月次で計算され、対象となる賃金の範囲や上限額があります。 そのため、会社負担分の社会保険料を給与項目ごとに機械的・比例的に分解できるとは限りません。 基本給だけで社会保険料計算上の上限に達している場合などは、変動報酬が増えても会社負担額が変わらないこともあります。

したがって、会社負担社会保険料については、 会計上は対応する賃金に関連づけて考えつつも、 実務上は、対象賃金の範囲、月次計算、上限額、控除・納付月の扱いを確認する必要があります。 具体的な処理は、タイの会計事務所、監査人、社会保険事務所の確認に従ってください。

整理:
会社負担社会保険料は、会計上は人件費関連費用として対応する賃金に関連づけて考えます。 ただし、社会保険実務上は、対象賃金、上限、控除月、納付月のルールに従って処理されるため、 給与項目ごとに単純按分できるとは限りません。

社会保険実務では、会計上の発生月ではなく支払期日を見る

社会保険法では、雇用主は賃金を支払うたびに被保険者負担分を控除し、 控除した月の翌月15日までに、会社負担分と合わせて社会保険事務所へ納付する構造です。

ここで重要なのは、社会保険実務では、会計上の「未払計上月」と、 社会保険料の控除・納付月が必ずしも同じではないという点です。

たとえば、12月勤務に対応する給与について、雇用契約・就業規則・給与規程等で 翌1月10日が正式な給与支払期日とされている場合、 1月10日までは遅配とは限りません。 この場合、社会保険料は、原則として1月の支給・控除に対応して、 翌月15日までに納付する整理になります。

一方、本来の支払期日が12月中であるにもかかわらず、 1月10日に遅れて支給した場合は、意味が変わります。 この場合は、社会保険法上の「支払ったものとみなす」規定により、 12月分としての納付義務が問題になる可能性があります。

注意:
「12月勤務に対応する給与だから、必ず翌1月15日までに社会保険料を納付する」 という単純な整理ではありません。 正式な給与支払期日が翌1月10日なのか、 本来12月中に支払うべき給与を1月に遅れて支払ったのかを分けて確認する必要があります。

なお、電子納付(e-Payment)については、期限が延長される措置が適用される場合があります。 そのため、実際の納付期限は、その時点の社会保険事務所の案内や会計事務所の確認に従ってください。

日本本社側では、「社会保険料をいつ納付したか」だけでなく、 それがどの給与に対応する会社負担分なのか、 その給与の正式な支払期日はいつなのかを分けて理解する必要があります。

社会保険は、未払い・遅配では特に注意

社会保険法では、賃金を支払うべき日に支払わなかった場合でも、 社会保険料については支払ったものとみなして納付義務が生じる規定があります。

そのため、通常の給与支給であれば、正式な支払期日、支給・控除月を確認すれば整理しやすいですが、 給与遅配・未払いがある場合は、単純に「実際に支払った月だけ見ればよい」とは考えず、 タイの会計事務所や社会保険事務所に確認する必要があります。

遅刻・欠勤の扱いは、罰金的控除と日割り調整を分ける

タイの月給制給与について考えるとき、遅刻や欠勤の扱いも混乱しやすい論点です。

遅刻を理由に、罰金のように賃金から差し引くことは、労働者保護法上の賃金控除制限に触れる可能性があります。 一方、欠勤や無給休暇、入社・退職時の日割り調整などは、 労務提供がない日や在籍していない期間についての調整として、懲罰的な控除とは分けて考える必要があります。

したがって、日本本社側では、「控除」という言葉だけで判断せず、 それが懲罰的な差し引きなのか、労務提供・在籍期間に基づく支給額の調整なのかを確認することが大切です。

賞与・役員報酬・特別手当は「確定時点」を確認する

通常の月給は、勤務月末時点で労務提供が終わり、 支払義務と金額が確定していることが多いため、比較的整理しやすいです。

しかし、賞与、特別手当、役員報酬、裁量的な支給については、通常給与と同じようには扱えません。

これらについては、次の点を確認する必要があります。

  • 支給することがいつ決まったか
  • 金額がいつ確定したか
  • 社内規程・雇用契約・取締役会決議等の根拠があるか
  • 対象者が特定されているか
  • 過大給与や利益処分と見られないか
  • 支払月がいつか

「前年分賞与」と社内で呼んでいても、翌年1月に支給すれば、 源泉税・個人所得税上は翌年の支払所得として扱われることがあります。 一方、法人税上の損金時期は、支給決定日、金額確定日、支払義務の発生時点を確認する必要があります。

日本払い給与・スプリットペイロールは別途確認

駐在員の場合、日本本社から一部給与を支払う、いわゆる日本払い給与やスプリットペイロールが発生することがあります。

この場合、「タイ法人が支払っていないからタイの個人所得税に関係ない」とは限りません。 タイ国内勤務に関連する所得であれば、タイでの課税・申告・グロスアップ・源泉税処理を確認する必要があります。

日本払い給与、タイ払い給与、住宅手当、学校費用、税金会社負担などが絡む場合は、 本記事の通常給与の整理だけで判断せず、必ず個別に確認してください。

日本本社・連結会計では、まずタイ側の発生主義処理を理解する

タイ現地法人側では、会計記録責任者、会計事務所、監査人が関与し、 タイの会計・税務・社会保険実務に沿って処理されます。 そのため、タイ側の実務処理そのものは適切であっても、 日本本社側から見ると、どの月・どの年度に属する費用なのかが分かりにくく見えることがあります。

ただし、通常の月給について、タイ側で正しく発生主義に基づき未払計上されている場合、 その期間帰属の考え方は、日本側でも大きく異なるものではありません。 たとえば、12月勤務に対応する給与で、12月末時点で支払義務と金額が確定しているものは、 タイ側の帳簿でも、日本本社側が理解するうえでも、基本的には12月の費用として整理されます。

したがって、日本本社側にまず必要なのは、 タイ側の処理を日本式の「支給日」だけで判断するのではなく、 勤務月、発生月、支給月、源泉税月、社会保険の控除・納付月、そして正式な給与支払期日に分けて理解することです。

一方で、連結会計や日本本社への月次・年次報告では、 決算期の違い、会計基準の違い、賞与引当・有給休暇引当・退職給付などの認識差、 管理会計上の区分、連結パッケージ上の表示方法などにより、 別途確認や調整が必要になる場合があります。

そのため、日本に親会社がある場合は、 タイ側の会計責任者と日本側の会計責任者が、 月給、変動報酬、社会保険料、源泉税、未払計上、支給日、給与支払期日、連結上の表示・調整項目について、 あらかじめ認識を合わせておくことが大切です。

タイ側で適切に処理されていることと、日本本社側で分かりやすく理解できることは、同じではありません。 通常給与の期間帰属そのものは発生主義で整理できる場合が多い一方、 連結会計や日本側報告では、決算期差、会計基準差、表示区分など別の理由で確認や調整が必要になる場合があります。

日本本社が見るべきポイント

タイ側では、会計記録責任者、会計事務所、監査人が関与し、実務処理が行われます。 日本本社側が注意すべきなのは、タイ側の処理を日本式の言葉だけで解釈しないことです。

日本本社がタイ現地法人に給与情報を確認する場合は、 「何月分ですか」とだけ聞くのではなく、次のように分けて確認すると混乱が減ります。

日本本社が確認すべきこと 確認のしかた
勤務月 この給与は、何月の勤務に対応していますか。
月給の意味 この支給日の月給は、前月勤務に対応するものですか。それとも当月分の月給ですか。
正式な給与支払期日 この給与の正式な支払期日はいつですか。遅配ではなく、規程上の支払日ですか。
変動項目の締め日 残業代、手当、コミッション等は、どの期間の実績を集計していますか。
会計上の費用月 この給与は、会計上どの月・どの会計期間の人件費として処理されていますか。
法人税上の損金時期 支払義務と金額は、いつ確定していますか。
支給月 実際の支給日はいつですか。PND1では何月支払給与として処理されていますか。
会社負担社会保険料 どの給与項目に対応する会社負担分として処理されていますか。
社会保険実務 社会保険料は、何月に控除し、いつ納付していますか。正式な支払期日を過ぎた未払い・遅配はありませんか。
年末ズレ 会社の費用年度と従業員の所得年度にズレがありますか。
連結会計・日本側報告 タイ側の発生主義処理を理解したうえで、決算期差、会計基準差、表示区分などによる確認・調整が必要ですか。

チェックリスト

日本本社側では、次の点を確認しておくと混乱を防ぎやすくなります。

  • 「何月分給与」という言葉を、勤務月・費用月・支給月に分けて確認しているか
  • 月給制の基本給と、残業代・手当・コミッション等の変動項目を分けて理解しているか
  • 正式な給与支払期日がいつか、雇用契約・就業規則・給与規程等で確認しているか
  • 翌月払いが正式な支払期日なのか、単なる遅配なのかを分けて確認しているか
  • 同じ支給日に、当月分月給と前月実績の変動報酬が混在していないか
  • 同じ支給日でも、会計上・法人税上の費用年度が分かれる可能性を理解しているか
  • 会計上、勤務月または発生月の未払人件費として処理されているか
  • 法人税上、支払義務と金額が確定している費用か確認しているか
  • 会社負担社会保険料を、対応する給与項目に紐づけて見ているか
  • 社会保険は、会計上の発生月ではなく、支給・控除月、正式な支払期日、未払い・遅配の有無を確認しているか
  • 源泉税・PND1では、支給月を基準に見ているか
  • 年末給与で、会社の費用年度と従業員の所得年度がズレる可能性を理解しているか
  • 賞与・役員報酬・特別手当について、支給決定日・金額確定日を確認しているか
  • 日本払い給与・スプリットペイロールを、通常のタイ払い給与と分けて確認しているか
  • 通常給与の期間帰属はタイ側の発生主義処理を理解し、連結上は決算期差・会計基準差・表示区分など別要因による確認・調整がないか見ているか
  • タイ側と日本側双方の会計責任者の間で、給与項目ごとの扱いを共有しているか

まとめ:日本式の「何月分給与」をそのまま持ち込まない

タイ現地法人の給与について、日本本社が「その給料は何月分ですか」と聞くとき、 その答えは一つではありません。

労務上は勤務月、会計上は費用発生月、法人税上は支払義務と金額が確定した会計期間、 源泉税・PND1上は支給月、社会保険上は支給・控除月や正式な支払期日を見る必要があります。

さらに、同じ支給日に支払われる給与であっても、 当月分の月給と前月実績に基づく変動報酬が混在していれば、 会計上・法人税上の費用年度が分かれることがあります。 会社負担社会保険料についても、会計上は対応する給与項目に紐づけて考える必要があります。

会計上は12月に未払人件費が発生していても、 社会保険実務では、正式な給与支払期日がいつなのかが重要になります。 翌月10日が正式な支払期日であれば、原則としてその月の支給・控除として整理されますが、 本来の支払期日を過ぎた遅配であれば、社会保険法上の「支払ったものとみなす」規定が問題になる可能性があります。

タイ側の実務は、会計記録責任者、会計事務所、監査人が関与して処理されます。 しかし、日本に親会社がある場合、タイ側で適切に処理されていても、 日本本社側では、その処理の意味が分かりにくく見えることがあります。 通常給与の期間帰属そのものは発生主義で整理できる場合が多い一方、 連結会計では、決算期差、会計基準差、表示区分など別の理由で確認や調整が必要になる場合があります。

そのため、タイ側と日本側双方の会計責任者が、 「月給」「変動報酬」「支給日」「正式な給与支払期日」「費用月」「源泉税」「社会保険料」「連結上の期間帰属」について、 しっかり認識を合わせておくことが大切です。

「その給料、何月分?」と聞く前に、 それは勤務月の話なのか、会計月の話なのか、法人税の損金時期の話なのか、 源泉税の支給月の話なのか、社会保険の控除月・支払期日の話なのか、 それとも日本本社側の連結会計・管理会計上の確認事項なのか。 まず、そこを分けて確認することが重要です。

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