タイの取締役の辞任は届けが会社に届いた日から効力が生じ、会社は14日以内に変更を登記する。登記しないと登記簿謄本には取締役のまま残ることを示す図

帰任した日本人取締役、タイの登記から外れていますか|辞任は会社に届いた日から、登記は14日以内

タイの会社の取締役が辞めるときは、辞任の届けを会社に出し、その届けが会社に届いた日に辞任の効力が生じます(民商法典第1153/1条1項)。
会社は、取締役が替わってから14日以内に、変更を登記しなければなりません(第1157条)。
会社が登記をしないままにすると、日本に帰った元駐在員が、タイの登記の上では取締役のまま残ってしまいます。

辞任は、届けが会社に届いた日から

取締役が辞めるときは、会社に辞任の届けを出します。
辞任の効力は、その届けが会社に届いた日から生じます(第1153/1条1項)。
届けをいつ出し、いつ会社に届いたかが分かるように、控えを残しておくことが大切です。

登記は、会社が14日以内にする

取締役が替わったときは、会社が14日以内に変更を登記します(第1157条)。
DBD の手引きでも、辞任の届けを受け取った日か、辞任の効力が生じた日から14日以内に申請することになっています。
申請するのは会社で、今の登記で会社を代表して署名できる取締役が手続きをします。

会社が登記しないと、登記の上では取締役のまま

登記簿謄本には、登記されている取締役の名前が載ります。
会社が変更の登記をしなければ、辞任したあとも、登記簿謄本には取締役として名前が残ります。
取引先や銀行、役所は登記簿謄本で取締役を確かめるので、登記の上で取締役のままだと、取締役として扱われるおそれがあります。

無限責任の取締役なら、辞めたあと2年は責任が続く

タイの株式会社では、基本定款(หนังสือบริคณห์สนธิ)に定めておけば、取締役に無限責任を負わせることもできます(民商法典第1101条1項)。
この無限責任は、取締役の地位を離れてから2年が過ぎると終わります(第1101条2項)。
2年を数え始めるのは、取締役を辞めた日からです。
辞任の届けが会社に届いた日を示せないと、いつから2年を数えるかで争いになりかねません。
基本定款に無限責任の定めがなければ、取締役が無限責任を負うことはありません。
自社の基本定款で、取締役の責任をどう定めているかを確かめておきましょう。

辞任した本人も、登記官に知らせることができる

辞任した取締役は、自分の辞任を登記官に知らせることもできます(第1153/1条2項)。
会社がなかなか登記をしてくれないときの手段として、覚えておくとよいでしょう。

署名の条件に名前が入っていたら

登記簿謄本の「署名の条件」に、辞任した人の名前が入っていることがあります。
その場合は、取締役の変更と一緒に、署名の条件も変える必要があります。
署名の条件を変えるには、原則として株主総会の決議が必要です。
署名の条件の読み方は、こちらで紹介しています(タイの契約書、誰の署名なら会社を拘束するか)。

帰任のときに確かめたいこと

  • 基本定款で、取締役が無限責任を負うことになっていないか
  • 辞任の届けを出し、会社に届いた日が分かる控えを残したか
  • 会社が14日以内に、取締役の変更を登記したか
  • 登記簿謄本から名前が外れ、署名の条件も新しくなっているか

帰任のあとしばらくしてから登記簿謄本を取り寄せ、名前が外れていることを確かめておくと安心です。

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