【追記 2023年2月7日】2023年2月7日施行の民商法典の改正により、吸収合併(一方の会社が存続する合併)が法制化されました。本記事は改正前の内容です。
タイにおいて、合併は「新設合併」のみが認められており、「吸収合併」に似た制度として「全部営業譲渡」の税制恩典が設定されています。
新設合併は、A社およびB社の事業継承先としてC社を設立し、A社およびB社の権利義務をC社に承継させると同時にA社およびB社を解散する制度です。
「営業譲渡」は一般的な取引ですが、「吸収合併」制度の無いタイにおいては、「全部営業譲渡」に対して税制面での恩典を与えることにより、「吸収合併」と同じような効果を得ています。
「全部営業譲渡」の税制恩典を受けるためには、「譲渡と同一年度内」に、「譲渡会社の資産・負債をすべて譲渡する」ことおよび、「譲渡会社を解散し、清算手続きに入ること」が求めらます。
「部分営業譲渡」は税制面での恩典は無く、一般取引と同様に課税されます。
ただし、 勅令516号により、2011年1月1日以降に行われる“関係会社間”で行われる「部分営業譲渡」に伴い生ずるVAT、特定事業税、印紙税は免除されています。
債務超過会社は任意清算ができません(裁判所での破産手続きが必要です)ので、譲渡予定会社が債務超過で「新設合併」または「全部営業譲渡」を行う場合は、実施前に債務超過を解消しておく必要があります。
また、「新設合併」の場合も、「全部営業譲渡」の場合も、譲渡会社の税務上の繰越欠損金を引き継ぐことはできません。
| 新設合併 | 全部営業譲渡 | 部分営業譲渡 | |
| 資産の譲渡益 | 発生しない | 免除 | 法人税課税 |
| 不動産譲渡に係る源泉税 | 不動産譲渡価格の1%源泉徴収 | ||
| 通常資産の移転に係るVAT | 免除 | 7%課税 | |
| 土地・建物の移転に係る特定事業税 | 3.3%課税 | ||
| 貸付金の移転に係る特定事業税 | 3.3%課税 | ||
| 土地登記手数料 | 土地評価額の2%課税 | 土地評価額の2%課税 | |
| 税法上の繰越欠損金の引き継ぎ | 不可 | 不可 | 発生しない |